4月9日例会参加者より-
4月9日例会の嶺貞子先生のイタリア歌曲の講座を大変楽しみにしていました。
順序としては古典から始めるのが妥当ではあるものの、通奏低音に即興を付けたり、調を自在に上げ下げする事がピアニストに要求される可能性があり、かなりのソルフェージュの力とジャズピアニストのようなセンスが求められる事があるので、今回はイタリア近代歌曲の中からO.Respighi,I.Pizettiの曲が指定され、歌い手にとっては難しいものとなりました。前半のイタリア歌曲史は始めて耳にする事が多く、興味深く拝聴しました。「仮面の告白」の作家で倒錯者とされる三島由起夫とイタリア歌曲とのつながり又、詩を読んだだけでは、さりげない自然描写が実は口にするのも憚れるほどの性描写であること等など、内容を知ってこそ歌う事のできる曲である事を知りました。又、講義と平行して嶺先生のすばらしい歌曲のC.Dをお聴きして(我が家から持参したラジカセの音質が今ひとつでしたが)本当ならこのまま余韻に浸りながらの帰路の方が良かったのではと思ったほどでした。私自身のことを申し上げるのは恐縮ですが、花粉症まっさかり気管支が炎症を起こし、お聞き苦しかった事をお詫びいたします。それでも先生の「いくら調子が悪くても体の支えを忘れず、息に乗せて歌う事を忘れてはいけません」というお言葉を肝に命じた次第です。とても充実した例会で「できれば3時間欲しかった」との先生のご意見も尤もと感じた次第です。 井口
慈子
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