4月7日の受講者より
今年度の最初の例会は、バリトンの渡邊明先生をお迎えして、「オラトリオ」を題材としての初めての会でした。
まず、ヨーロッパに於ける教会と劇場の有要性、教会と劇場の比較、オラトリオ、カンタータ、モテット、マニフィカト、コラール、グレゴリオ聖歌の特徴や概要、そこからオペラでの声の捉え方と違い、ドイツ語の宗教曲では、音楽と思想を一体として捉える事、声が何を表現するか、声の持つ思想の表現が重要とされている事を教えて下さいました。
また、夏目漱石の「草枕」から"情三分、芸七分"を引用しつつ、言葉の持つ表情を伝える為には、感情のみならず正しく発音する技術によって表出されるべきである事、テキストの朗読を通してin
tempoで正確に語る部分、感情を表出する部分、美しく歌い上げる部分を捉える事、アリアのみを演奏する場合でも「ヨハネ受難曲」全曲の流れを見る、またマタイ受難曲も合わせて勉強する必要性を指摘されました。 (相馬宏美)
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