11月30日例会の受講者より
松原友(Ten.)先生に歌パートを歌って頂き、今回は7人のピアニストが数曲担当しての演奏を通して、「詩人の恋」全曲のレッスン・レクチャーを受けました。今回はヘンレ版(原典版)を指定され、シューマンについては、楽譜の解釈がこれからも益々進んでゆくだろう、とのお話があり、テンポ、ペダル、rit.の扱い方、また歌い手、あるいはピアニストのEinsatzの入り方、個々の曲の流れが途切れないための譜めくりやAttacaの工夫、個々の曲それぞれの性格の表現や解釈の可能性など、丁寧に、歌い手だからこそ指摘できるピアニストへの様々なアドヴァイス、ヒントを頂きました。
私自身は11、12、13番でしたが、物語として進行していく曲想、しっかりしたシンコペーション、rit.からa tempoにサッと戻すシューマンらしさ、アゴーギグを大胆に、たっぷり大切に表現すること、また、高声部のメロデイーの動きの音の響きをしっかり立てること等、自分の中でイメージがくっきりしていなかったことに気づかされ、「詩人の恋」全体がこれから更に、生き生きと立体的なものになっていく気がしています。次回、また松原先生がこの形式でのレッスンを引き受けてくださることを期待しています。心地よい緊張感と実りあるひとときでした。 (福田 佐智子)
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