5月10日例会の受講者より
シューマンの「僕の美しい悲哀の揺りかご」を受講致しました。愛する女性に酷い言葉で傷つけられた男性の別れの心情が、軽やかな三拍子で歌われ始めますが、そこに流れている悲しみ、そして突如現れる悲痛な思い出と嘆き、音楽の変化が非常に豊かな素晴らしい曲です。
先生は、「この男性だったら、こんなふうに泣くかな、いや、こうかな、こんなふうに歌ってみて」、「ここが彼の生死を分けたところだね」と主人公の心情を嗚咽し、表現されました。その上で言葉の区切り、フレーズ、の工夫を具体的にご指導下さいました。また改めて感動し、ユニークな発声練習法
も含め、とても勉強になりました。 この日の公開レッスンの最後にアーベル先生は、「音楽のない世界など考えられない。我々は作曲家の遺した作品を追究し、表現していくという素晴らしい役割がある。」と話されました。アーベル先生の強い情熱に胸打たれる一夜でした。
(太田祐子) |