9月30日の例会の受講者より
チューリッヒを拠点にソロ、アンサンブルで活躍されている津田理子先生の講座は、シューベルトとデュパルクの「ミニヨン」が扱われた曲、シューマンのピアニスト泣かせの「春の夜」、そしてオケ伴も馴染みのあるマーラーの「子供の不思議な角笛」という多彩な要素の曲が並びました。
先生のアドヴァイスにより、声とのバランスの基にバスを重視して音楽を進行させ、どの受講者の曲もピアノが自然に無理なく、より確実に音楽を形作ることができたと思います。
ピアノの表現が歌を上回りそうな時にも、単に全体をセーブするのではなく、バスを中心にしたバランスの良い積極的な響き作りを教えてくださいました。そしてマーラーでは、管楽器的なリズムや、歌の流れに沿ったリズムの刻み方の御指摘により、詩に沿った世界へ一層近づくことができました。
先生のお人柄と相まって、豊かな音楽作りへの幸福感の漂う時間でした。
( 南日美奈子 )
|