12月14日の例会の受講者より
12月の例会は、作曲家の香月修先生の歌曲を先生に解説していただき、先生の意図した表現で演奏していくというものでした。
先生は「歌曲を作曲する時は、詩を読んで言葉の響きの美しい詩、少ない言葉で書かれた詩を選ぶ」そうです。
私が歌わせていただいた「昼の月」は、昼の月が澄んだ空の遠樹の上にほのかにおごそかにかかる穏やかな情景から、自分の心の空にかかる初恋の記憶を生々しく思い起こすという、佐藤春夫の詩に作曲された曲です。ピアノと歌で感情の動きを盛り上げて、テンポも変わっていくので大変でしたが、繊細な美しい歌曲だと思いました。
「感傷肖像」も同じ佐藤春夫の詩に作曲された曲で、摘めというからバラの花を摘んで渡したら、無心でそれをめちゃくちゃにもぎ砕いて、怒ったら涙ぐんでしまうような、気まぐれで、まるで小娘のような恋人を歌った曲です。ピアノと歌の掛け合いも楽しく、歌はしゃべるようにしていたつもりでしたが、もっと遊んで演技して、と言われました。
先生の曲は音程を取るのが難しかったのですが、言葉のアクセントが自然に歌えたので、先生にそれを伺うと、作曲する時にはアクセントにとても気をつけているとおっしゃっていました。
大学を定年退職なさって、作曲に専念できるようになったそうですので、今後も素晴らしい曲を作曲なさっていただきたいと思います。
(広川法子)
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