9月26日の例会の受講者より
9月例会はピアニストの山岸茂人氏をお迎えし、イタリア歌曲を三組のペアがご指導していただきました。
多くの著名な声楽家と共演されている先生からの指摘は、ピアノ・歌、双方に対して具体的かつ実践的です。
音楽を前へ進めていくためにアンサンブルとして必要なこと、ピアノパートの音の創り方など、提案されたアイデアを試みると、すぐにはできなくてもイメージの持ち方が変わり、
すっと腑に落ちる心地よさを何度も味わいました。
また、こちらがそうなると、歌い手はもっと自由になれます。そして実際に先生が弾いて下さった時、魔法にかかったように気持ちよく歌えているように感じました。
今回のプログラムは、B.Marcello,Tosti,Donaudy,Mascagni,Casellaの作品で、Marcelloが1686年〜1739年、他は19世紀後半から20世紀半ばと、時代が二つに分かれました。
しかしながら、Marcelloの作品で通奏低音が重要な役割を持っていること、新古典主義音楽を推進したCasellaの作品の低音の動きも、通奏低音として捉えるということもヒントとして教えて頂きました。
こういった、時代と様式についての考察、また、古典歌曲は多くが原作そのままの形ではないことへの認識などを、私たち受講者は事前にもっと深めておく必要がある、という反省も含め、「演奏する」場において多くを感じ学ぶことができ、充実した経験となりました。
(松永朱美)
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