東京芸術大学3年在学中、フランス政府給費留学生としてフランスに渡り、パリ・コンセルヴァトワールを作曲科、ピアノ伴奏科共に1等賞で卒業。また、パリ・エコール・ノルマルでピアノ科を高等演奏家資格第1位で卒業した。その間、作曲をオリヴィエ・メシアン、ピアノをイヴォンヌ・ロリオ、マリア・クルチォに、また、ピアノ伴奏をアンリエット・ピュイグ=ロジェの各氏に師事。1976年以来入賞した国際ピアノ・コンクールの数は十以上にも及ぶ。ヨーロッパ各地や日本国内でのソロ・リサイタルや室内楽、オーケストラとの協奏曲のほか、フランス国営放送局をはじめとするヨーロッパ各地の放送局や日本のNHKでの多くの録音・録画など幅広い活動を行っている。レコードもメシアンのラ・フォヴェットゥ・デ・ジャルダンやイゴール・マルケヴィッチ作品集、武満徹作品集など続々とリリース。作曲家としても活動を続けており、フランス文化省から、委嘱をうけるほか、その作品が演奏会や国際フェスティヴァルで演奏・録音されている。彼の演奏は藤井一興自身が作曲家であることから、作曲家の意図に対する理解の深さ、また鋭い感性、卓越した技量を備えていて他の追従を許さない。
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