10月14日の参加者より
「歌い手とピア二スト、共につくりあげる日本歌曲」のテーマでの中村
健先生のご指導は、「少し極端な言い方だが、日本歌曲は日本語で歌ってはいけない」というお話から始まりました。イタリア語の母音を意識し、かつそれを日本語の発音に生かすこと。シラブルを歌うのではなく、言葉の連なりを丸く深くいい共鳴の母音で歌う事が大切である、と。表現においては、自己陶酔や自分の情緒に閉じ込められることなく、ロマンの世界・ベルカントの世界を表現するように。弦楽器の弓にたとえると、その一部ではなく全体を使うように、大らかに日本歌曲を歌い上げてほしいなど、密度の濃いたくさんのお話が強く印象に残っています。ピアニストは発音・発声についても常に把握しておくことの大切さ、また、歌い手・ピア二スト両者が、作品をどのように創り上げていきたいかを確認し合う重要さを、改めて感じました。私個人としてはまだまだ未熟な状態での受講でしたが、素晴らしい先生のご指導と受講者の皆さんの演奏で、大変有意義な勉強をさせて頂き感謝しております。 松永朱美