7月19日の参加者より
久邇先生の講座ではイタリア近代の時代の流れを背景に取り上げられた4人の作曲家の作品によって、イタリア近代歌曲の音楽の輝きの一端が浮き彫りにされました。作曲家それぞれの個性が、その時代に裏付けされたものであること、オペラとの関わり、あるいはワグナーの影響、古典への回帰、民族主義への傾倒など、それらのお話の上に、先生自らのダイナミックな実演も聴かせて下さり、一曲一曲が立体的に、より生き生きした音楽の流れになっていくのを実感しました。私自身はRespighiのPioggioを弾きましたが、日本とイタリア・ヨーロッパの雨の違い、細やかで煙るような駿雨のイメージ、情景描写が心情を微妙にテンポを上げる、などのアドヴァイスで自分でもイメージが掴みやすくなり、格段に弾きやすくなりました。まだまだ知られていないイタリア近代歌曲がもつ様々な顔の魅力、その興味への第一歩になり、充実した心より楽しめたひとときでした。(福田佐智子)
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