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2009年 7月 1日号

研究会より

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♪ 参加者から ♪
125回例会
日本歌曲

6月24日の受講者より

 作曲者の大中恩氏自ら、作品の意図、背景を語り、表現方法を指導する今回は、大変意義深いものだった。当然ながら歌曲は、詩と音楽である。よい詩との絶妙な出会いが、作曲者のインスピレーションを呼び、作曲へと駆り立てる。作曲家にとって、言葉への直感と詩への美的センスも重要な要素となっている。多くの豊かな出会いの中でも、とりわけ従兄弟である故阪田寛夫氏との出会いは、作詩と作曲という立場で互いに触発し合いながら、相乗効果をもたらした。 大中氏は「歌曲は詩を伝えて欲しい。歌うところと語りのところを歌い分け、語りはしゃべるように自然に」と強調された。 また、「作曲者は作詩者の意図を汲んで演奏して欲しい」等、指揮を交えながら熱く指導されました。山田耕筰氏や中田喜直氏、同級生であった団伊玖磨氏の話など、さながら日本の近代音楽の絵巻を見るようで魅了されました。それでいて、そうした歴史的な重みをも「サッチャンはね、・・・だけど」のような軽妙な語り口で、私達に易しく解き明かしてくれるのです。格調がありながらも気取らないやさしい眼差しこそが、私達一人ひとりに向けられた大中音楽のメッセージだと思うのです。
I.T.

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